「始まり」のための始まりのための始まり。
ゲネプロ RGPJ(Rural Generalist Program Japan)オリエンテーション
少し前の話になります。2月8.9日は東京でオリエンテーションでした。
今思えばこの頃は新型コロナも海外の話で、東京の光景も全く違うものでした。社会はこんな短期間で脆くも変わってしまうものなのですね。
逆にこれから数ヶ月、そして年単位での人類の巻き返しを実現したいですね。
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このRGPJは私が4期生になります。
同期が9人おり、それぞれが全国の連携病院で15か月間(国内+海外)の研修に臨みます。
同期といっても学年はバラバラで、医師3年目~20年以上のベテランの医師まで。
専門診療は内科や外科、救急、麻酔科などバックグランドも様々ですが、
同じ「へき地医療」の教育・実践を求めて研修を行います。
また、4月からは全国に散らばり研修になるため貴重な集合機会です。
(年2回のワークショップ(へき地医として、必要な手技の研修会)で再開予定!)
プレテストからのプレテスト
そんな前途洋々な会なのですが、そうではないことも。
オリエンテーションの詳細がメールで届き、
そこにはプレテストなるものが・・・
へき地で出会って困りそうな症例、対応についてです。
頭を悩めてなんとか回答を送信。
オリエンテーション当日、
開始直後になんとまたプレテストが・・・!
内容は、より具体的な知識を問う問題。
医師9年目を迎えますが、研修医相手に偉そうにテストとかは行いますが、
なかなか自分がテストを受ける機会は少なくなってくるものです。
ありがたい機会でした。
教えて育てる、教育システム
このゲネプロRGPJの教育は、オーストラリアへき地医療学会(ACRRM)に登録し、その内容にのっとり行われます。
知らない方も多いと思いますが、オーストラリアは世界一のへき地医療先進国です。
(医者が少ないへき地にいって感謝されながらデカい顔して診療しとけばいい)とか
(医学勉強は先輩の医者の背中をみて学ぶもので教わるものじゃないよ)とか
(この病院で必要な仕事だけ覚えればいいよ)とかいう教育ではありません。
では、実際どのようなことをどうやって教育されているのか。
そんなところも、改めて紹介できればと思っています。体力と気力に余裕があれば。笑
上五島病院で働き始めて2週間、仕事量が多くてついて行くのがやっとです、、、
しかし、医師はもちろん事務やコメディカルも含め病院全体の情熱や一体感は働いていてとても楽しいものです。
何をモチベーションとして人や組織が動いているのか。そのあたりも興味深い項目です。
COVID-19もそうかもしれませんが、困難や苦境を乗り越えた先には新しい見地や価値観が、乗り越えた人にだけ当たり前のように存在するようになるのだと思います。
新型コロナと新生活
COVID-19の世界的流行の中、いかがお過ごしでしょうか?
医療従事者だけでなく全ての方々が世界各地で目に見えない敵と戦っているという非常事態になっています。どうか皆様、この先もご無事であることを祈ります。
このウイルスにより改めて気付かされたことも多々あります。
命について、
病気について、
医療について、
政治について、
家族について、、、
気付いていなかった変化に気づかされたり、
正解と疑わなかったものが間違いに見えたり、
サピエンス全史を読み返したくなるような日々です。
「中道」というはなし
医師としても、人間としても、困った時には必ず答えを探します。
その答えは出来る限りシンプルなものがよいとされ、YESかNOで示す事ができればベストでしょうか。
先日、地元のお寺の副住職(同い年)と話す機会があり、その中で「中道」という言葉がありました。
私の稚拙な解釈で申し訳ないのですが、YESやNOで示されるような両極の思想は楽だが、その極の吟味や距離感に道がある、というようなものでした。
批判的吟味を行いながら建設的な答えを導く(そして誰にも責任を押し付けない)仏教者の手順が、私を含め、ちまたの医師や科学者よりよほど科学的だと感じたのを覚えています。
中道は、日々COVID-19等についての新しい情報や予測が出回る今の社会において大切な考え方なのかもしれません。
というような不要不急な事を、
五島のあちこちに佇む綺麗な教会と、毎年同じように美しく咲く桜を観ていて思いました。
新生活への適応
記念すべき2回目の投稿です。
1回で途切れるのではないかと内心肝を冷やしておりましたが更新できました。
そして2回目の投稿も覗いていただきありがとうございます。
この更新を続けたい理由は、
宮崎や日本全国で、同じような地域医療への気持ちを持っている人が、
夢をあきらめず挑戦できる(勉強できる)機会を提示したいというものです。
あいつ、夢を追いかけて宮崎から出て行ったけど、ほんとに医者してんの?
なんか病んでしまって田舎で魚でも釣ってんじゃないの?
何を言われるか分からないので、その否定も兼ねて、なるべく定期的に更新できればと思っています。笑
こちらに来る前は、家族が環境に適応できるかとそればかり心配していましたが、間違いなく私より早く環境に適応し離島ライフを謳歌しております。
医師もすなるブログといふものを・・・
プロフィール
南の太平洋の離島で生まれ、
日本海側の国立大学医学部を卒業し医師をしています。
生まれ育った環境の影響もあり、
「医療でまちづくり」をする夢を持ちながら救急専門医をしています。
医療や地域のことがブログ内容の主体となると思われますが(きっと・・・)
生まれた島のことなどもおいおいご紹介できればと思っています。
ブログを始めた理由
現在32歳になりますが、
これから自分の中での一大チャレンジを迎えるにあたり突発的に始めました。
幼い頃からの夢をもう少し追いかけてみたいと思い、
2020年4月から”ゲネプロ”という団体に所属し15か月間の「へき地専門医研修プログラム」を行うことになりました。
所詮まだ32歳なのですが、人生であと何回、今回のように鳥肌のたつようなチャレンジができるのか、とか32歳なりに考えてもみます。
楽しいことも、辛いことも、おそらく目まぐるしくおこる15か月間。
何か記録に残しておかねば、という衝動にかられました。
あと、これまでのインプットばかりだった20代から、アウトプットできる素敵な30代になりたいと思ったのもその理由です。
ゲネプロって?
医師や看護師の方の中には、離島や僻地、海外や途上国での医療にあこがれを持ったことがある方も多いのではないでしょうか?
これを技術や知識、語学といった教育面などでサポートする支援システムがゲネプロです。
詳しくはこちらをご覧ください。
存在を知ったのは数年前でした。
登録していたメーリングリストに紹介メールが届いており、そのなかに
「離島や途上国でのへき地医療は、医師のメジャーリーグ」というような一節があり、心を持っていかれました。
なんとなく忘れたことにしてしまってた夢がまた動き出し、FA宣言に至りました。
※マイナーからの挑戦ですが。
これから
「へき地医療」という「専門領域」を学んでみます。
同じことに挑戦するのなら1日でも早い方がその後の人生にそのアウトカムを活かせそうです(結果が良くても悪くても)。32歳が早いかというと遅い方かもしれませんが。
最近気になる存在であるRoland的に言うところの、「わくわくするか、それ以外か」
というのが、これからも私の行動指標になりそうです。
いざ、五島列島へ。