初の訪問診療
車、乗り替えました
仕事での話です。
なかなかのビフォーアフターです。
↓ビフォー↓
↓アフター↓
訪問診療、往診がはじまりました。
それに伴い相棒(車)の風貌もマイルドに様変わりしました。
この1か月で劇的変化です。笑
定期的な病院通院が難しい方や終末期の方をみています。
この分野は個人的にとても興味があるところです。
これまで救急医として、救急搬送されてくる患者さんを診てきましたが、
その中には、超高齢で心臓マッサージをされながら運ばれてくる方、
癌末期などで自宅で最期を迎えたかったけどそれが叶わなかった方、
たくさんの望まれなかったであろう搬送がありました。
そういった光景を見るたびに胸が痛みました。
「急性期」「慢性期」というくくりだけでなく、生活や人生に寄り添える医師になりたいと改めて感じます。
試される訪問診療・・・
さて、記念すべき最初の訪問診療の患者さんは90歳くらいのおばあちゃんでした。
この方は数年前から定期的に膝関節注射を行っていました。
私がお宅に伺うと、最初は笑顔で迎え入れてくれるものの、
どこの馬の骨とも分からないような私をベッドから怪訝そうに見つめます。
一通り診察が終わり、関節注射の準備に入ると身を乗り出して、私の準備の仕方をみてるのを感じます。
(…試されてる)
医師も9年目になり関節注射も特に緊張はしませんが、この時ばかりは背筋が伸びました。この注射で前任者を越えなければこれからの信頼関係が築くのがきっと難しくなります。
予想通り90年ものの膝関節は変形がつよく、またややふくよかな体格から難易度高めの穿刺でした。処置を終え、おばあちゃんの顔をみると、
「先生、いい注射よ。若いのに上手やわ。」
私も自然と笑みがこぼれました。
そのあとは出身地の話や家族の話など、これまでの緊張感が嘘のように会話をふってくれます。別れ際には手をにぎり「ありがとうね」と。医者冥利に尽きる瞬間です。
膝関節注射
備忘録がてら、手技や知識についても頑張って書いていこうと思います。
~ポイント~
■膝のリラックス
手技は準備が9割。特に大腿四頭筋に力が入らないように体位調整します。
■穿刺時は膝蓋骨を外側へ
一番大切にしているポイントです。これで穿刺部(外側)の関節腔が広がり穿刺しやすくなります。変形がつよい高齢者ではなかなか難しいことが多いです。
■関節液の確認(ヒアルロン酸注射のときは特に)
当然のことですが関節液がひけなければ関節腔をはずしている可能性があります。特にヒアルロン酸注射をする際は、注入時に激痛を感じるためここはしっかりと確認が必要です。
■可能であればエコーガイド下で
ERではエコーが常備されていることが多いと思いますので、どの関節穿刺でもしっかりと関節腔、針先を描出して確実に穿刺することが患者さんに優しいです。小型エコーもいろいろな種類がありますので経済的に余裕があれば在宅診療でも活用したいところです。
内容はゲネプロの教科書でもある「Procedural GPの手技力」を参照しています。
経験がない手技も慣れた手技も、研修期間中はしっかりと読み込んでいこうと思います。気になる方がいれば是非。
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