【現代版】へき地で働く医師に必要なもの
今週のウェビナーは高知県の大井田病院でRGPJ4期生として勤務する西津先生から、プライマリケア領域で必要な外科的皮膚処置(陥入爪・抜爪、ケロイド、褥瘡、粉瘤など)とレジリエンスの高め方、についてのレクチャーでした。
ゲネプロでのRGPJ研修も6カ月が過ぎました。
新型コロナの影響で海外研修が不透明な状況になったり、離島へき地という特殊な環境での生活だったりで、全国に散らばった研修生はそれぞれが知らず知らずの間に疲れやストレスがでてくる時期です。
私も、何かこれといった難題に直面しているわけではないのですが、疲れが取れにくかったり、些細なことにもやもやしたりと、まさにそんな時期でした。
全国のへき地で奮闘する仲間たちと常に繋がって、今の状況や悩み、その対処法を共有できるゲネプロのシステムの有難みを身をもって感じるウェビナーでした。
レジリエンスという能力
レジリエンス(resilience):
社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される。自己に不利な状況、あるいはストレスとは、家族、人間関係、健康問題、職場や金銭的な心配事、その他より起こり得る。
(Wikipediaより)
社会で生きていくなかで非常に重要な能力です。
離島や僻地で働く医師にとってもやはり重要な能力です。
多くの場合、都会に比べて医師一人が担うべき業務や責任、また生活負担は大きくなります。もちろん中にはへき地や離島の医療・生活環境の方がストレスを感じない医師もいるのでしょうが、間違いなくマイノリティーです。
『離島・へき地医療』の変化
ひと昔前までの『離島・へき地医療』は、
・離島やへき地の環境を苦としない圧倒的な臨床能力やレジリエンスを兼ね備えた少数の医師だけが
・それぞれの地域で、時に孤立しながらも
・一生を捧げて従事する
こんな感じでした。
現在の『離島・へき地医療』では、
・スーパードクターではなくても離島やへき地を支えたい気持ちのある医師が、
・遠く離れたへき地同士でも、繋がり、支えあいながら
・期間限定で(もちろん居心地がよければ長期で)従事する
こんな感じに変わってきています。
それは『離島・へき地医療』が遠い未来までも持続可能で、さらに発展していくために必要な変化です。
【現代版】へき地で働く医師に必要なもの
半年が過ぎて、なんとなく思うことがあります。
へき地で働く医師に必要なものはドクターコトーのようなスーパードクターの資質ではなく、離島・へき地医療への思いを繋げるシステムであり、サポートする教育体制のような気がする、ということです。
ひと昔前の『究極のへき地医療』は南極大陸でした。
最近の『究極のへき地医療』は火星(宇宙)らしいです。
そんな話を聞いてワクワクすることが自分のレジリエンス向上の鍵だとゲネプロにきて気づけました。